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中国企業が外国土地を次々と長期借り上げ「一帯一路」治外法権化構想 [一帯一路]

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中国の国有企業が、インド洋に浮かぶ島国の民主社会主義共和国スリランカの、主要な港や周辺の土地を、その期間99年間借り上げ埋め立て開発するニュースです。

この土地は、スリランカ最大の都市コロンボの海沿いにある116ヘクタールの面積で、政府が受け取るのは62ヘクタールの埋め立て地で、そこに、「コロンボ・ポート・シティー(CPC)」プロジェクトで、国際金融センターを作る計画と言います。

この開発を一手に担う中国の国有企業「中国港湾(CHEC)」の子会社の事務所は、英領時代の歴史的建造物「旧中央銀行」の上層階に置かれています。

スリランカ国内には、代表的な世界遺産のシーギリヤロック、ダンブッラ黄金寺院をはじめ、全部で8つもあります。日本では、紅茶のセイロン茶が非常に有名です。

帝国主義の時代には、植民地政策でこれらの例が周辺各国でも相次ぎましたが、今、中国の長期借地の動きはインド洋周辺の各地やオーストラリア北部のダーウィンの港、モルディブのフェイドゥフィノルフ島、パキスタンなどで起きていて、1世紀を経て中国は、帝国主義時代の反対の動きをしているかのように見えます。

中国の営業担当幹部リャン・ゾウ・ミン氏は、「何の価値もない海を、全て我々の負担の、14億ドル(約1600億円)を投資し、そこに都市をつくる。スリランカ政府単独ではできない」と話しています。

国際金融センターの計画は、埋め立完成の30年後とし、その地に8万人が居住し、通勤者も含め25万人が活動すると見込んでおり、当然に、周辺のインドやパキスタン、バングラデシュの富裕層も呼び込むとしています。

営業担当幹部リャン氏は、この借用地は、「スリランカ側が決めること」としながらも、スリランカ国内とは異なる税制、法体系が適用され、裁判所も別の、現在中国の香港のような治外法権的な形態になるかもしれない。と語っています。

他方の、スリランカ投資庁は「あくまで商業目的で軍事利用の可能性はない」と説明していますが、既に中国企業が管理している別の埋め立て地の北隣の埠頭(ふとう)に、中国の潜水艦が2014年に入港しており、物議を起こしていますので、将来の軍事利用を懸念しています。

この開発始動は、中国寄りで知られたラジャパクサ前大統領時代の14年に、習近平(シーチンピン)・中国国家主席が立ち会い、起工式が行われました。

この時代に、ペルシャ湾岸からマラッカ海峡へ向かシーレーン(海上交通路)上の要衝に、中国側が85%を融資して中継用の港を建設や、中国の融資で国際空港や高速道路網が造られましたが、この港も道路も巨費を投割には全く利用されず、何の利益も生み出さないまま、中国側への借金の返済が始まり、対外債務の返済額は昨年の18億ドルから今年は24億ドルに急増し、2年後には40億ドルに達する見込みで、加えて、港の建設資金の金利は最大6%を超える事態にあります。

しかしこの流れで、翌15年の大統領選でラジャパクサ氏が敗北し、親欧米派のシリセナ新政権が成立し、この埋め立て計画の白紙撤回を表明しましたが、中国側は、既に1億ドル(約114億円)近くを投資していたその賠償金請求をちらつかせて、また、前大統領の地元、南部ハンバントタで04年末のインド洋大津波で5800人の死者を出し、壊滅的な被害を受け、これの中国から借りた巨額の債務があり、この11億ドルの債務免除と引き換えと、その再交渉は押仕切られたの結果で、中国側の取り分は当初案よりも7%余り増えて、16年8月に工事は再開したのです。

結局、新政権は今年に入って、11億ドル分の債務免除と引き換えに、港の8割と周辺の土地6千ヘクタールを経済特区として中国側に貸し出し、その期間を99年間とすことを決断したのです。 

これらを俯瞰しますと、13年に習国家主席が提唱した、陸と海のシルクロード復活の構想「一帯一路」の戦略が見られます。


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