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日本政府 尖閣諸島「棚上げ」合意の巧妙な中国の罠に [尖閣諸島]

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米シンクタンク「ボストン・グローバル・フォーラム」のオンライン国際会議が4月21日に開かれた席上で、兼原信克前内閣官房副長官補は、中国が主張する尖閣諸島問題の棚上げ合意はないと明言し、中国の嘘であると強調しました。

この尖閣に関する日中の経緯は、

「1972(昭和47)年の日中国交正常化交渉時から、今回の日中平和友好条約批准でも、この尖閣諸島問題に触れないことを約束しています。

「棚上げしてもかまわない」との発言は、78年に来日した時の、中国の登小平副首相の一方的発言です。

この中国「棚上げ」提案は、日本の争いを避ける和を取る国民性を利用した戦術で、「次の世代の知恵に任せようと言う」言質を用いて、中国は日本に領有権問題の存在を認めさせ、領有に向けて既成事実を積み重ねる思惑があったのです。

実効支配している日本は、日中間に領有権問題は存在しないという点で、「棚上げ」の「合意はない」と、日本の見解を示してきています。

しかし中国は、92年(平成4)に施行した「領海法」で、尖閣諸島を新たに自国領と明記し、2012(同24)年には、中国共産党の機関紙「人民日報」が、尖閣諸島は中国の「核心的利益」と表現となり、台湾やチベットなどと同等の、絶対に手放さない意志を表明し、同年から尖閣諸島へ中国公船を派遣し最近は「海警」船による領海侵入を常態化しています。

これに対して兼原氏は、日中国交正常化や日中平和条約交渉で、「合意がないことは公開された外交文書で明らかだ」としていますし、実際に1978年の福田赳夫首相と鄧小平氏との会談で、ここでも「我々の世代では知恵が足らなくて解決できないかもしれないが、次の世代は、我々よりももっと知恵があり、この問題(尖閣諸島)を解決できるだろう」と発言があったが、福田首相は聞き流すだけで一言も応答しなかった、と説明しています。

兼原氏はこれらの事実で、記者会見での李登輝氏の「棚上げ」合意発言は「明らかなウソだった」と否定しています。

実際に78年の李登輝氏と会談した園田直外相が、「尖閣問題の日本の立場は閣下のご承知の通り」と述べると、李登輝氏は、ここでも「次の世代、あるいはその次の世代に委ねればよい」と繰り返しましたが、園田外相は、特に反応せずに無視としました。

この会談に中国課長として同席した田島高志元駐カナダ大使は、外交専門誌「外交」第18号に、「中国側は話し合いを控えたいとし、日本側はそれを聞きおくに留めたと、その事実を記述しており、「『棚上げ』に合意するような筋合いの問題ではなかった」と証言しています。

この件に関する72年当時の会談記録でも、田中角栄首相が「尖閣諸島をどう思うか」との問いに、周恩来首相は「今は話したくない」と答えています。

だが、78年の鄧小平氏の会見後、日本が無視の形で、抗議も反論もしなかったことで、中国はこれに付けこみ「棚上げ」から、いきなり実力行使の現状変更を試みて至りました。

2009年中国は、近海の6000以上の無人と、それに、台湾、沖縄、尖閣諸島を含め、中国国家に帰属する「海島保護法」を制定し、2018年に海警局を作り、2021年の海警法で、海警領海の武装化に向けての巧妙ななし崩しを重ね、着々と国内外の侵略準備を整えていますが、この件での「日本政府の本格的反論は2012年か年からで、それまでの日本側対応は、平地に波を立てずという方針だった」であったことが、中国の行動をエスカレートさせたのではと、兼原氏は判断しています。

柳井俊二元駐米大使は、中国の従来の『棚上げ』と、昨今の中国の強引な実力行為の現状変更とは大きく矛盾する」とし、今までの中国の「棚上げ」合意の主張の存在は、この点でも否定できる。と語っています。

今こそ日本は国際社会に向け、沈黙の弱腰外交を捨て、中国のプロパガンダ『棚上げ』合意がなかった明確な歴史的真実の発信をためらうべきではなく、日本政府の毅然とした尖閣実行支配の意志を世界に示す時です。


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