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がん死をビタミンDが抑制する!! [がん治療]

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がん死をビタミンDが抑制する!!
日光に含まれる紫外線を利用して皮膚でつくられるのがビタミンDで、そのビタミンDをめぐって興味深い研究結果が発表されました。

東京慈恵医大の研究チームは独がん研究センターや米ハーバード大、フィンランド、豪州などと共同で10万人のデータを解析。ビタミンDサプリメントの連日内服でがんの種類に関係なくがん死亡率が12%減少したというものです。

国立がん研究センターは全国の約14万人を追跡して健康調査を行う「多目的コホート研究」の中で、すでにビタミンDとがんの関係についても調べています。ビタミンDの血中濃度によって低いグループから高いグループに4つに分けて、がんの発症リスクを分析。最も低いグループを基準とすると、2番目に低いグループは発症リスクが19%、2番目に高いグループは同25%、最も高いグループは同22%低下していました。

国立がん研究センターは約3万4000人を16年にわたって追跡した調査結果です。信頼性が高く、がん予防でビタミンDの有効性を支持する結果といえます。しかし、サプリについては、どうでしょうか。

慈恵医大の研究手法はメタ解析といって、複数の研究結果を統合して因果関係を解析する統計手法です。一つ一つの結果が否定的なものでも、まとめることで肯定的な結果が得られることはあります。

実際、慈恵医大のグループも、日本で行われた試験を含めて一つ一つの試験ではビタミンDサプリのがん死を抑制する有意な結果が得られていません。そこで、第2弾の試験をスタートしています。

では、どうするか。冒頭に紹介した通り、ビタミンDは日光を浴びれば合成されます。日光浴をすれば、無料で体内のビタミンD濃度を上げることができます。晴れた夏の日なら、沖縄でも北海道でも顔や手、腕などに10分も日光を浴びれば十分。これからの時季、ランチに出かけるなら、ワイシャツの袖をまくるとベターです。

日本人は8割がビタミンD不足で、特に4割は欠乏状態といわれます。サプリを買うより、まず通勤や散歩で日光を浴びることを日課にすることです。

問題は冬で、北と南で十分なビタミンDを得られる日光浴の時間が変わってきます。那覇は14分で済みますが、札幌は139分と2時間以上。雪の中、2時間もの散歩は難しいでしょうから、北国の冬はビタミンD対策が必要でしょう。

その一つが食事で、ビタミンDを含む食品は魚介類やキノコ類など限られていて、食べるなら魚介類を。中でもサケが豊富です。100グラムで十分なビタミンDを摂取できます。

(中川恵一/東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授)


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