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経団連の新会長に住友化学十倉雅和会長が就任 [経済]

経団連の新会長に1日、住友化学の十倉雅和会長が就任し、新体制が発足しました。

経団連十倉新体制のキーワードに「経済安全保障」と「持続可能性経済」(サステイナブル)の2を揚げています。

「十倉経団連」を待ち受ける最大の懸案の一つが、通商やデータ利活用での米中の覇権争いです。
日本の今は、安全保障を米国に依存し、経済は中国に依存する形で、玉虫色の政経模様にあります。

故に日本はこの矛盾の経済政策の中で、政経バランスを崩すことなく、自由で開かれた国際経済秩序の再構築に向けた国際協調を主導していくことは、極めて困難な舵取りと言わなくてはなりません。

安全保障とは「国民主義(ナショナリズム)」の話で、国際秩序がいかなる状況であったとしても、「国民を守る」のがその本質であり、自国の、防衛、防災、防犯、エネルギー、食料、医療、流通など、幅広い分野に渡る概念です。

他方の国際協調とはグローバリズムとなりますので、その互いの方向性は真逆となります。

日本経済の安全保障は「すそ野が広い産業構造」「中小企業が多い産業構造」によって確立されているので、安全保障にとって、「集中化」は「悪」の施策となります。

十倉氏はこの日の総会の挨拶で「経済安全保障の確保について、企業の実情を踏まえながら、わが国政府と緊密に連携して検討を進めることが肝要だ」と述べて、官民一体の姿勢を強調していますが、
菅内閣が推進している垂直統合モデルは、中小企業淘汰政策であり、安全保障の「悪」の施策で、日本の経済安全保障を確実に弱体化させるもので、十倉経団連が、経済安全保障の強化を主張するならば、菅内閣の進める中小企業淘汰政策に反対しなければ、その筋が通らないもので、この課題をどうクリアするかが重大な課題となります。

新副会長の一人、日本製鉄の橋本英二社長は中国との付き合い方について、「政治・外交のカードとして私ども経済界ができること」は、日本企業の脱炭素化技術に磨きをかけ、知的財産を保護しながら、中国に対峙(たいじ)する戦略の重要性を訴えていますが、これも、親中政治の外交と経済に染まった日本経済市場の背景下で、新経団連の方針表明には、今なお、多くの疑問があるところです。

アメリカは、グローバリズム政策の展開であっても、防衛、食料、エネルギーの三つについての自国供給体制は崩していません。

本来の経団連の役割は、近年の世界経済の潮流である、国益と国民の幸せの貢献を支柱とするもので、持続可能な社会の実現に向け、経済界の利益や資本効率のためだけの、社会から離れての経済、産業は成り立たないものとなり、投資家は、気候変動や人権といった課題にどれだけ対応できているかが問われているのです。

即ち、「株主第一主義」から脱却した先にあるのは、渋沢栄一など、日本商人の先人が大切にしてきた、売り手と買い手と、世間が満足する「三方よし」の経済の世界観が必要なのです。

果たして、十倉新経団連は、現日本経済の「経済安全保障」と「持続可能性経済む」の課題改革の新風となりなうるか注目し、その改革に大きく期待するところです。



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日本は何処どごへ 衰退する日本の正体 [経済]

ダロン・アセモグルとジェイムズ・A・ロビンソンの大著
「国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源」の著書の中で、
国の持つ経済制度を「包括的経済制度」を持つ国と「収奪的経済制度」
を持つ国の二つに分類し、国家の繁栄や衰退の「理由」を解説しています。

「包括的経済制度」を持つ国とは、「安全な私有財産、公平な法体系、
公共サービスの提供」により特徴づけられ、企業参入や人々の自らの
キャリア選択を可能とします。

結果、投資により生産性が高まり、国家は繁栄する。

「収奪的経済制度」を持つ国とは、私有財産の否定、不公平な法体系
(いわゆる人治主義)、公共サービスの貧弱に特徴づけられます。

結果、「収奪的経済制度」の国家は、投資が起きず、衰退する。

上記は、両制度は「バランス」の話であり、「究極の包括的国家」と
「究極の収奪的国家」との間には、無限のバリエーションがあります。

対象の中華人民共和国は明らかに「収奪的経済制度を持つ国」ですが、
中国共産党の権力により、経済大国に成長しました。

「包括的経済制度」持つ国」の「欠点」は、「真っ当な民主制の国民国
家」なのですが、民主制は「野党」「メディア」などの存在により、
国家権力の行使に制限がかかり、特に非常事態発生時に顕著になると言
われます。

さて、これを日本に当てはめてみますと、1997年のデフレ化以降の30年
間に、緊縮財政や構造改革をより進め、「収奪的経済制度を持つ国」の
公共サービスの提供を怠り、増税を加えて、尚、「野党」「メディア」と
共謀して、バランス論から外れ、このコロナ禍の非常事態で、「包括的
経済制度」の件感が謙虚に表面化し、危険な「収奪的経済制度を持つ国」
に移動しているように考えられます。



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暴風下の日本経済で小室直樹氏法学博士(1932/9/9)の資本主義論 [経済]

現在日本の景気や国民の気概の低下が危機的状況にありますが、これを20年前に
資本主義原論【世界一成功した社会主義国・日本は旧ソ連のように衰退している】
の著書や講演で警告したのが、小室直樹氏法学博士です。

その講演内容で、日本国の対外純資産は124兆円、内米国国債の70%を所有する。
国民の金融資産は1200兆円超、この資産が動けば、不景気は一気に解消に向かう
のですが、何故、日本は不景気のままなのか・・・。

博士は、当時の不況を、国民が持つ日本の将来への不安によると結論付けています。

なお、社会主義と資本主義の特徴の違いは、社会主義は自由競争がないこと、
資本主義の原則は、自由競争であることであり、技術が進歩し資本が蓄積されれば
発展する。理論が、経済学者一般の考えでしたが、

一九九八年にシェイバーは、資本主義の発展は、規範、道徳の高い倫理的精神が
なければ発展しない。の論文が発表され、それはの概要は、

労働は宗教意識である精神を必要とし、資本家と労働者は高い倫理を有すること。と、
目的合理的な精神の、目的を合理的に達成することで、資本家は利益、消費者は効用を
最大化することを要す。とする論文です。

次に、アメリカのクルーマンの説では、利子率が下がると人々が消費をしない。
との研究発表が行われました。

小室博士は、これらの発表前に、日本の経済回復策は、利子率を上げる、日銀は国債を
買い上げ銀行の資金を増やすと景気は上がる。

そして、金融業の非競合世界と製造業の熾烈な競合世界が、日本社会主義の欠点となった。
と述べています。

日本社会主義の表現は、資本主義国と比較した日本は、貧富の格差が当時まだ少なかった
事によるものです。

尚博士は、社会主義と資本主義の経済破産についての研究は、成されていないとも指摘して
います。

さて、20年を経過した現在、当時の指摘は正しかったことが証明されいる中で、更に、
日銀の金融緩和やマイナス利息などの間違いの財政方策をとり、克、偽りの財政危機を
煽り、消費税を導入するという、真逆の政策で致命的経済危機を促進していることは、
人的災害であり、何とも腹立たしく、許しがたいことです。



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日本の5つの強みは本当の強みなのか [経済]

日本は戦後、工業立国を掲げて成長してきましたが、戦後の高度成長が米国経済を
脅かしたことから経済摩擦が生じて、経済政策を、ドルを買い、円高に移行して輸出
競争力を低下し、更に賃金倍増計画で賃金を上昇し、それらで生産コストを押し上げ
ましたので、輸出立国は崩れ、国内の労働生産型の生産設備はその拠点を海外に
移転することになって、国内の工業設備は、穴の空いたドーナツ現象の現状にあります。

この縮小した生産環境状態の日本は、最早、工業立国からサービス立国に移行して
おり、これからの日本経済の成長構造が危ぶまれますが、このほど、中国メディアは、
日本の製造業は他国が太刀打ちできない絶対的強みの5大カードがあると報じています。

その1つは、トヨタ方式に代表される優れた「生産方式によるコスト削減」がある。
その2は、「顧客重視の経営」で商品市場のシェアを捉えている。
その3は、毎年「膨大な特許を申請」していて、日本を超える製品開発は相当に難しい。
その4は、「生産技術の高さ」であり、日本の生産設備と生産環境の高さにある。
その5は、「多品種少量生産」の生産能力にある。

これらのことから、日本は世界に誇る最強の5カードがあり、日本企業の強みである
としています。

これらを見ますと、過去の日本の姿を語っているように思います。

何故ならば、生産設備が国内にはなく、紛争や戦争などの事ある時は、これを動か
すことができないこと、そして少子高齢社会で人材の育成ができないこと。又、サー
ビス産業が栄えることは、生産国から消費国に移行していることで、経済が金融に
移行していること。などで、国の経済基盤が危惧する国になったと言えるのです。

スイスは、未だに工業立国を貫いています。モノとカネの比重を拡大ではなく、産業
再生による、質の高さを求める国に移行すべきではないでしょうか。



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日銀のマイナス金利政策は日本経済にプラスか [経済]

日銀総裁の金融政策が注目されていましたが、29日0時40分頃、サプライズの奇策、
「マイナス金利政策」の打ち出しが発表されました。

東京金融や債券市場は、この「マイナス金利政策」に、日経平均株価や為替相場が
乱高下を繰り返し、長期金利は急低下するなどで、長期国債の金利の高い内に買う
動きが広がるなどの混乱状態となりました。

この流れで、銀行株は軒並み下落となっています。

日銀の狙いは、国外では「中国など新興国や資源国経済の先行き不透明感で、人々
のデフレマインドからの脱却に影響が出るリスクが高まっている。それを未然に防ぐた
めだ」とし、国内では、金利を下げる事で、企業の設備投資や住宅ローンの金利を下げ、
市況のカネ回りを良くすることを狙ったとしています。

海外ではこの金融緩和政策は好感されて、東京外国為替市場取引では停滞気味の
ドル高が進み、円は、1ヶ月ぶりの121.5円となるなど、2.7円程の円安となりました。

この金利の低下は長期に見て、国内の物価高を維持するものであり、庶民生活が楽に
なるとは考え難く、狙いの企業の設備投資も大きく変化はしないと思われ、日本の世界
経済へ配慮のパフォーマンスを示したものになるのではなかろうか。
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