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不登校・ひきこもり・統合失調症は「オープンダイアローグ」で脱却 [精神障害]

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斎藤 環(さいとう たまき)氏は、筑波大学大学院社会精神保健学研究室勤務で、最先端精神医療の研究者として知られます。

氏の研究から、心身ともに健康的に生活するためのエッセンスを学びます。

斎藤先生は、近年、北欧で生まれた「オープンダイアローグ」という、統合失調症患者に対する関係者の公開アプローチ手法に出会い感銘しました。

北欧で生まれた統合失調症患者に対する劇的な治療方法は「オープンダイアローグ」と呼ばれ、その中心は家庭療法の、言葉や物語を重視する「リフレクティング」と言う手法で、この治療法は、専門家と共に家族と本人が症状について話し合い、その後、複数の専門家が密室で本人の治療法について、本人や家族の前で意見を述べ合い、本人がそれを観察したうえで、自発的に、自分の治療法を決断すると言うものです。

その経緯は、1980年代に薬を用いない療法の家族療法が注目され、その治療法の原則が整い、臨床治療の結果、病床数が300から22に減少したことと、「患者がいないところで治療をしない」と言う治療モデルの導入が急速に促進されました。

その実践の方法は、クライアント参加型でオープンに行われ、次の12の基本要素を持ちます。

複数以上のセラピストがチームミーティングに参加する。
家族と友人や知人などの関係者が参加すること。
開かれた質問を使うこと。
クライアントの発言に応答すること。
現場の今の瞬間を重視すること。
多様な観点を明るみに出すこと。
会話の中で関係が強い点に焦点を当てること。
問題の発言や行動は事務的に対応し、その内面を注意を重視すること。
症状よりも、クライアント自身の言葉と物語を深めて行くこと。
治療に関し、専門家同士の会話(リフレクション)を高めること。
透明であること。
不確かさに耐えること。

この治療法の利点は、本人が、専門家の議論を聞き、「対話」を通して、客観的に自己評価ができることと、専門家の意見や評価が直接得られることです。

「対話」とは、説明、説得、議論は含まれません。
「対話」とは、その話題に目的を設定しないで話し合うことです。

日本の治療は、医療側の目的主義や正しさを説明や説得する方法が多く、その一方的な説得や否定、又は、馬鹿にされるなどと感じて、本人の人格が無視され、無力化してしてしまう危険性があります。

クライアントにたいして大切なことは、安心すること、対話が十分行われること。
により、対話を深めることで完治へつながります。

現代社会においてひきこもりや統合失調症は、一般的にも聞かれるようになってきた現在、日本の精神科の世界では、その中心は、投薬治療が現状です

北欧で生まれた統合失調症患者に対する「オープンダイアローグ」の効果は劇的で、欧州で統合失調症の数で最悪とも言われたフィンランドが劇的に数を改善し、今では広く使われている手法と言います。

この内容は、治療法と言うよりはメンタルケアシステムという仕組みであるところも注目すべき点だそうで、通常は家族療法は家族だけですが、オープンダイアローグは友達、親戚、そして医師やセラピストら全員が驚くほどフラットな関係性の中で進みます。

斎藤先生は、今後この手法が将来的に必ず日本でも使われるようになるとして、精神疾患は薬の投与などをせずとも、人間関係修復で改善するもので、それを自らパイオニアとして、この手法に関する研究を推進されています。

氏は、最先端の精神医療の形に触れながら、「オープンダイアローグ」を中心に、現在も多くの人々が心の闇と向き合う方法について考える機会となれば、こんなに嬉しいことはありませんと、語っています。


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