日本で世界初「歯が生える薬」の実現が間近に！！ [最新治療]
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去る2021年2月12日（金）に、歯科口腔外科の高橋克主任部長（京都大学大学院医学研究科准教授）を中心とした研究グループによって、世界初の先天性無歯症などの根治的な歯の再生治療治療が期待される、歯の再生についての記者発表が行われました。
日本は国民の高齢化が進み、人生100年時代と言われる社会となっている現在、この30年の間、人口は減少しましたが、歯科医に通う患者数は、略、700万人と横這いが続いています。
人間の歯は標準数で32本ですが、その耐久年数はおよそ50年で半分の16本、この歯が80歳になるまでに8本以上失いますと、咀嚼能力が著しく低下して、自分の歯で食事を楽しむことが出来なくなります。これは、非情に悲しいことです。
昨今、そんな人類の楽しみを叶えるべく、失った歯を再生させる「歯再生治療薬」（USAG-1蛋白の機能を抑制する中和抗体）を開発中で、その臨床実験が今秋から始まるということです。
実は1990年代に、歯は1つの遺伝子の変異で数が増えたり、減ったりすることが分かっていました。
その差異性の夢の研究を続けるうちに、色々のことがわかってきました。
歯は生える数が決まっていて、標準で32本（親知らずを含む）あります。しかし、もともと数が足りない先天性無歯症(通常6本以上の歯の欠損症例)という患者さんが存在していて、その割合は全体のおよそ1％くらいなんです。
また、逆に歯が32本より多くある過剰歯の患者も、また1％くらいいます。
即ち、歯の数は決まっているはずですが、歯数に増減する揺らぎ（余地）があるのです。
では、歯生え薬は、どのようにして歯を再生すのでしょうか？
私たちの歯は永久歯が抜けると生えてこないのが現在の常識です。それは、USAG-1と言うたんぱく質が、歯の成長を抑制しているからです。
歯は芽さえあれば生えてきます。故に、このたんぱく質の、USAG-1機能を出来れば、歯が生えてくるということです。そこで、このたんぱく質をターゲットにして、歯を増やすということを思いつき、研究を進めています。
がんの治療で、がん遺伝子によって発生するタンパク質を標的にして抑えて増殖し難くする、分子標的治療というのがあります。が、歯を生やすのも同じように、USAG-1をターゲットに絞ります。
マウスを使っての実験では、100％の成功率！分子標的治療、のこれまでの実験ではどんな結果が出ていますか？
マウスを使って実験をしました。中和抗体を打ったら歯が生えてきたんですよ。しかも条件さえ整えば、100％生えるという結果を得られたのです。
マウスは、乳歯がない動物なので、先天性無歯症の子を妊娠している母親に、USAG-1機能中和抗体を打ちます。すると歯が生えてきたので、腰を抜かすほどビックリしました。また歯がない犬にも投与したら生えてきたのです。
でも犬の場合は、残念ながらマウスとは違って100％成功していません。尚、今のところ、動物実験では副作用は出ていません。ゆくゆくは、注射で直接人間に薬を打って、歯が生えてくるようになると思います。この薬が合う人、合わない人がいるかどうかもいずれ分かってくるでしょう。
因みに、歯がなくなっても明るい未来が来た時の、お値段はどのくらいになるのでしょうか？
この想定される費用は、今のところインプラント1本で、30~40万円程度の3本分程度と言われますが、現在は全く決まっていません。ただ使用する抗体製剤はけっこう高価なので、当然費用も高くなってくる言うことです。
歯が少ない先天性無歯症の子どもは、食事を摂る効率も悪くなり、その成長、発達に影響が出ますし、また、歯が少ないということで、すきっ歯になったり、見た目が悪くなり、子どもにとってはデリケートな問題なので、この治験薬の開発で、どんどん薬を活用できるようになると、親子の悩みを解決する大きな突破口になり得ます。
その他、大人には28本の歯（親知らずをのぞく）がありますが、半数以下になると、ご飯のような柔らかい食べ物も噛めなくなりますので、口腔機能が衰えてしまい、結果、認知症になりやすく、転倒が増えることが研究からわかってきています。
このような疾患を防ぐためにも、入れ歯や新しい自歯で失った歯を補うことが大切で、抜けても新しい自歯の登場で、歯科治療の幅が格段に広がりますし、生涯自分の歯でモノを食べることができるようになることは、とても爽快なことなはずです。
高橋克歯科医は、歯が改善されれば、自然と健康寿命も延ばすことにもなりますので、まずは2030年を目処に、先天性無歯症の患者さんに薬を届けたいと思います。とその夢を熱く語っています。
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去る2021年2月12日（金）に、歯科口腔外科の高橋克主任部長（京都大学大学院医学研究科准教授）を中心とした研究グループによって、世界初の先天性無歯症などの根治的な歯の再生治療治療が期待される、歯の再生についての記者発表が行われました。
日本は国民の高齢化が進み、人生100年時代と言われる社会となっている現在、この30年の間、人口は減少しましたが、歯科医に通う患者数は、略、700万人と横這いが続いています。
人間の歯は標準数で32本ですが、その耐久年数はおよそ50年で半分の16本、この歯が80歳になるまでに8本以上失いますと、咀嚼能力が著しく低下して、自分の歯で食事を楽しむことが出来なくなります。これは、非情に悲しいことです。
昨今、そんな人類の楽しみを叶えるべく、失った歯を再生させる「歯再生治療薬」（USAG-1蛋白の機能を抑制する中和抗体）を開発中で、その臨床実験が今秋から始まるということです。
実は1990年代に、歯は1つの遺伝子の変異で数が増えたり、減ったりすることが分かっていました。
その差異性の夢の研究を続けるうちに、色々のことがわかってきました。
歯は生える数が決まっていて、標準で32本（親知らずを含む）あります。しかし、もともと数が足りない先天性無歯症(通常6本以上の歯の欠損症例)という患者さんが存在していて、その割合は全体のおよそ1％くらいなんです。
また、逆に歯が32本より多くある過剰歯の患者も、また1％くらいいます。
即ち、歯の数は決まっているはずですが、歯数に増減する揺らぎ（余地）があるのです。
では、歯生え薬は、どのようにして歯を再生すのでしょうか？
私たちの歯は永久歯が抜けると生えてこないのが現在の常識です。それは、USAG-1と言うたんぱく質が、歯の成長を抑制しているからです。
歯は芽さえあれば生えてきます。故に、このたんぱく質の、USAG-1機能を出来れば、歯が生えてくるということです。そこで、このたんぱく質をターゲットにして、歯を増やすということを思いつき、研究を進めています。
がんの治療で、がん遺伝子によって発生するタンパク質を標的にして抑えて増殖し難くする、分子標的治療というのがあります。が、歯を生やすのも同じように、USAG-1をターゲットに絞ります。
マウスを使っての実験では、100％の成功率！分子標的治療、のこれまでの実験ではどんな結果が出ていますか？
マウスを使って実験をしました。中和抗体を打ったら歯が生えてきたんですよ。しかも条件さえ整えば、100％生えるという結果を得られたのです。
マウスは、乳歯がない動物なので、先天性無歯症の子を妊娠している母親に、USAG-1機能中和抗体を打ちます。すると歯が生えてきたので、腰を抜かすほどビックリしました。また歯がない犬にも投与したら生えてきたのです。
でも犬の場合は、残念ながらマウスとは違って100％成功していません。尚、今のところ、動物実験では副作用は出ていません。ゆくゆくは、注射で直接人間に薬を打って、歯が生えてくるようになると思います。この薬が合う人、合わない人がいるかどうかもいずれ分かってくるでしょう。
因みに、歯がなくなっても明るい未来が来た時の、お値段はどのくらいになるのでしょうか？
この想定される費用は、今のところインプラント1本で、30~40万円程度の3本分程度と言われますが、現在は全く決まっていません。ただ使用する抗体製剤はけっこう高価なので、当然費用も高くなってくる言うことです。
歯が少ない先天性無歯症の子どもは、食事を摂る効率も悪くなり、その成長、発達に影響が出ますし、また、歯が少ないということで、すきっ歯になったり、見た目が悪くなり、子どもにとってはデリケートな問題なので、この治験薬の開発で、どんどん薬を活用できるようになると、親子の悩みを解決する大きな突破口になり得ます。
その他、大人には28本の歯（親知らずをのぞく）がありますが、半数以下になると、ご飯のような柔らかい食べ物も噛めなくなりますので、口腔機能が衰えてしまい、結果、認知症になりやすく、転倒が増えることが研究からわかってきています。
このような疾患を防ぐためにも、入れ歯や新しい自歯で失った歯を補うことが大切で、抜けても新しい自歯の登場で、歯科治療の幅が格段に広がりますし、生涯自分の歯でモノを食べることができるようになることは、とても爽快なことなはずです。
高橋克歯科医は、歯が改善されれば、自然と健康寿命も延ばすことにもなりますので、まずは2030年を目処に、先天性無歯症の患者さんに薬を届けたいと思います。とその夢を熱く語っています。
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