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「ポスト世俗化」は政教分離社会の世界観認識 [ポスト世俗化]

現在のグローバルで科学的社会において、相次ぐ原理主義思想のIS過激派による攻撃的
破壊的な暴挙が多発するのか。何故宗教が現在より盛んになっているのか。

これに対して、原理主義と宗教の本質を分けて考える必要がある。として識者が語られた
のが、「ポスト世俗化」の言葉です。

この言葉の由来は、2004年に、西欧随一の知識人たるユルゲン・ハーバーマス氏と、
翌年ローマ教皇に選出されることになるラッツィンガー教皇庁教理省長官(当時、後の
ベネディクト16世)によるドイツでの対談の場で、議論に先立ってハーバーマス氏は、
市場や資本主義の力がますます増していっている現代にあって、文化的な品位や市民同士
の連帯は、これまでのように市民社会だけでなく、宗教共同体も一致して守っていかなけ
ればならない、と訴え、その上で、宗教と政治が対立するのではなく、協調していかなけ
ればならないと述べ、このことをが「ポスト世俗化」の時代状況の表現となりました。

人類社会は、宗教と政治の取り扱いに多くの議論をしてきましたが、現在は、科学的世界像
を持つ世俗市民と、宗教的世界像を持つ宗教的市民がいますが、この両者の世界像の認識は、
不一致な状態にあります。

その為、双方に、世俗の偏狭(知)と宗教(信仰)の脱中心的視点の、理論理性と実践理性の反省
(互いの反省プロセスから)の、異なった観点からの啓蒙が要請され、互いの不可知識論的な
態度を維持しながらも、議論を通じて学習し、結論に導くことが大切であると語っています。

そして結論は、「ポスト世俗社会」とは、世俗的市民(理論理性)と宗教的市民(実践理性)の双方が、
共に啓蒙されることを必要とする社会状態」としています。

欧米の「政教分離」の議論の経過は、太古の歴史の原理主義のキリスト教の十字軍やイスラ―ム
帝国主義に見られるように、戦いや宗教改革のテーマであり、その理論は現在も継続しています。

これは、人類の「心と頭」の闘いとも言えるので、結論無き共存の世界観ですが、人の共同体で
ある社会は、平和のために「ポスト世俗化」は、この「互い(二重)の反省プロセス」と「協調」
が必要であると訴えています。

ただし、西洋での宗教主体は、イスラム、キリスト教での識者の論理ですが、仏教(本化仏教)の
説く、「宇宙の理と知」の一体の世界観とは、その論理は異なります。



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