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世界一がん大国日本生まれの夢のがん治療薬【ニボルマブ】 [医療]

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日本は、2人に1人が癌となり、そう3人に1人が死亡する国であり、この30年間、日本人の死因のトップは癌で、世界一不名誉ながん大国です。

通常のがん治療は、その対症療法としての外科的手術や放射線治療、そして最後の手段として化学療法がありますが、今後この治療方法が大きく変わる可能性が出てきました。

それは今回、世界に先駆けて実用化した、小野薬品工業と米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が共同開発の新薬【ニボルマブ】です。

この新薬の開発は、難治性がんの1つ、悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として様々な化合物の研究を進める中で、がんが、体内の免疫に攻撃されないように免疫機能を抑制する特殊な能力を、この【ニボルマブ】で、その抑制能力を解除する仕組みをもたしたもので、それにより本来身体の持つ、NK細胞やキラー細胞の免疫細胞を覚醒させてがん細胞を攻撃させる、新たな免疫治療薬の「抗PD―1抗体」です。

この新薬について、慶応義塾大学先端医科学研究所所長の河上裕教授は、9月から日本で発売が始まった小野薬の抗PD―1抗体「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)を、「がん研究と治療を変える革命的な薬だ」と評価しています。

河上教授の話では、先の悪性度が高いメラノーマは、5年後の生存率は1割前後という極めて危険な癌ですが、米国、日本での臨床試験(治験)では、「増殖を抑えるだけでなく、がん細胞がほぼ消えてしまう患者も出た」と語っているもので、この技術は、世界的な革命技術として、米科学誌サイエンスの2013年の「ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー」のトップに紹介され、今や米メルク、スイスのロシュなど世界の製薬大手がこぞってこの仕組みを使った免疫薬の開発を加速させていると言われます。

米国では既に、他の抗がん剤と比較する治験では既存の抗がん剤を取りやめ、ニボルマブに切り替える勧告も出たほどで、肺がんや胃がん、食道がんなど他のがん種に対する治験も進んでいるようです。

世界の製薬大手が画期的な新薬開発に行き詰まるなかで、なぜ小野薬が生み出せたのか。

当時は医学界の常識は、「免疫療法は効果が弱い」「切った(手術)方が早い」など、免疫療法に対する医療業界の反応は冷ややかであり、それは、医師や学会だけでなく、数々の抗がん剤を実用化した製薬大手も開発には消極的ななかで、その1つは関西の1人の研究者の不屈の存在と小野薬品工業の極めて研究開発志向の強い企業文化があります。

この「PD―1」という分子は、1992年に、京都大学の本庶佑名誉教授らの研究チームが発見したのですが、小野薬もこの分子に目をつけて共同研究を進め、この「PD―1」が免疫抑制に関わっている仕組みを99年に解明したもので、その創薬の研究開発が本格的に始まるまでにおよそ7年を経て、2006年に、実際の治療薬候補が完成し治験が始めたもので、開発から実用化までにおよそ15年を要した開発です。

ただ、現在この治療は、一人当たり3600万円と言われており、残念ながら、一般市民には手の届かない治療となっています。

しかし、速やかにこの保険適用を研究して、世界に不名誉な「世界一がん大国日本」の汚名を消滅したいものです。


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