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パナマ文書公表の意味するもの(2) [タックスヘイブン]

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そこで本来の「パナマ文書」暴露の核心に入りますが、タックスシェルター(租税の回避)
の「オフショア」は、第一次大戦後に、英国政府が植民地に作ったものが最初です。

第一次世界戦争で産業が破壊され、空洞化した英国は、NYのウォール街のように、
「世界からマネーが集まる金融システム」を作ろうとしたのです。

そのための仕組みが、タックスシェルターとなるタックス・ヘイブンで、英国政府は、本国の
課税が及ばない仕組みを、植民地の地域に作ったのです。

このため、タックス・ヘイブンの殆どは、今も英国の旧植民地です。
アジアでは、香港、シンガポール、インド(ムンバイ)などです。

今回、パナマ文書で明らかにされたのは、何故か、タックス・ヘイブンの中でも大量規模
の、英領バージン諸島の名簿とその取引内容です。

(注)当然、米国のタックス・ヘイブンの名簿は載っていません。タックス・ヘイブンのおか
げで、英国の金融機関は、世界のマネーを集めています。集まったマネーは、金融商品
(世界の株、国債を含む債券、デリバティブ)に投資し、マネーがマネーを増やす仕組み
を作っていく。

「マネーがマネーを作る」ということが分かり難いかもしれません。
実例で、例えば株に1兆円の投資をします。これは1兆円の株を買うことです。株価は、
売りより買いが多ければ上がります。

ペンタゴン(米国防総省)は、物理的な国防と同時に金融面での国防も担っています。

氏がこれを知ったのは、ジェームス・リカーズの『通貨戦争』によってで(邦訳2012年
:朝日新聞出版)、次は氏の米が仕掛ける「パナマ文書」の狙いはこの『通貨戦争』な
のです。その内容の一部が以下です。

リカーズは、戦争の分析を行うペンタゴン所属の「APL(応用物理研究所)」に招かれ、
ヘッジ・ファンドや投資銀行を使った通貨戦争のシミュレーションに加わっていますが、
その内容を書いたのが『通貨戦争』です

米国が、英国の支配下にあるタックス・ヘイブンの名簿を、ばらまいて世界に公開した
目的が、「英国系のタックス・ヘイブンのマネーを、米国のタックス・ヘイブンに呼び込
むこと」であるのは、傍証からではありますが確かなことのように思えます。

「英国系のタックス・ヘイブンは危ない。米国系は安全である」と示すためでしょう。

2016年1月27日付けのブルームバーグは、「今や利に聡い富裕層はせっせと米国内
に富を移動させている」とも言う。

パナマ文書の暴露は、「ある人が正義にかられ、命の危険を冒して暴露した」とは到底
思えません。本人にとっての利益がどこにあるのか、考えることができないからです。

インターネット時代には、「兵器」も「情報化」しているのです。
パナマ文書は、米国が世界に向かって仕掛けた「金融情報戦争」でしょう。

この資料から推測される日本の上場株の時価総額521.6兆円のうち、30%(156兆円)
の殆どが、理論的にオフショアのタックス・ヘイブンにあることになります。当然この株
投資の利益に対する課税はないのです。

「パナマ文書」暴露は「金融情報戦争」ですので、最大の金融相手の「英国のオフショア」
を狙ったと推測したのです。

今後の「パナマ文書」の世界ニュースが注目です。


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