SSブログ
原子力発電 ブログトップ

東京電力福島第1原発処理水の海洋放出で訪日IAEAの安全基準を検証 [原子力発電]

日本政府は2021年、福島第一原発の処理水を海へ放出することを決め、この計画の安全性に関する包括的な検証をIAEAに求めて、ラファエル・マリアーノ・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長(H.E. Mr. Rafael Mariano Grossi, Director General of the International Atomic Energy Agency)は、5月18日から5月20日まで外務省賓客として訪日し、岸田総理大臣への表敬、林外務大臣との会談を経て、現地に調査団を派遣するなどし、この安全性の評価の最終的な取りまとめを続けて、既に次の日程を終えました。

5月18日、グロッシーIAEA事務局長は、日本核医学会、日本医学放射線学会及び日本放射線腫瘍学会共催で、放射線がん治療に関する講演会を行った。5月19日、グロッシーIAEA事務局長は、東京電力福島第一原発の視察を行う。

5月20日、グロッシーIAEA事務局長は、日本記者クラブにおいて、国内外のメディアに対し、IAEAによる核不拡散、原子力安全等の取組につき説明を行う。

国際原子力機関(IAEA)は 6月4日、東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出を巡る日本政府の計画について「国際的な安全基準と合致している」又、「処理水放出は国際基準に適合していると、評価報告書を発表して、海水・魚・堆積物への影響はごくわずかと言える」と述べた。

尚今後10年の間、現地福島にIAEA職員を常駐させ、原発処理水の放出を監視するためモニターするとしている。

岸田首相は、この報告書の内容を踏まえて、原発処理水の放出時期を「今年春から夏ごろ」に判断するとしていますが、グロッシー氏に対しては、「引き続き科学的根拠に基づいて、高い透明性を持って、国内外に丁寧に説明したい」と語っています。

日本政府と東電は、この処理水からトリチウム以外の放射性物質を取り除いたものを、海水で希釈した後に、海底トンネルを通じて沖合に放出することにしています。

しかしこの原発処理水の海洋放出発表後の地元の福島をはじめ全国の漁業団体は、放出反対の姿勢を変えていない現状にあります。

中国国営中央テレビでは、在日中国大使館は4日、IAEAの報告書が汚染水を海洋に放出する「許可証」であってはならないと反対の立場を改めて表明ており、更には、この海洋放出に韓国の野党勢力が猛反発し、「われわれとも話し合え」と言うので訪韓したグロッシー氏に対して、氏が空港に到着した際に、空港で待ち受けていた野党や市民ら「左派反日主義者」らの「ゴー・ホーム!」を叫ぶ過激な糾弾デモで、が押しかけ、長時間足止めされたという。

ようやく外に出たものの、ホテルにもデモ隊。国会で国会議員との会合に臨むと、そこでもデモ隊が窓をたたきシュプレヒコールと、議員は説明を聞く耳を持たず、根拠不明な文言を居丈高にまくし立てるなど、難詰と言うよりはつるし上げに遭いました。これは、IAEAのグロッシー事務局長が、韓国で味わった惨劇でした。

グロッシー氏は、韓国国会で「国際的な安全基準に合致する」と説明しましたが、野党議員は「日本側に偏って検証を行った」などと批判一方の態度です。

グロッシー氏にして見れば、斯く問題の放射性物質トリチウムの年間排出量は、中国も韓国もIAEA国際基準無視の、福島原発より、はるかに多いの数値の放出を既に継続しているので、何を目的でいきり立っているのか。と。言う処でしょう。

原発を持つ国の多くは、可なり以前より原発処理水の海洋放出を開始していますので、今回の日本の政治姿勢は、今後のIAEA国際的評価基準を先導する模範になると思われます。



nice!(0) 
共通テーマ:ニュース

福島原発事故(2011.3.11)の死の灰の総量は広島爆の20発分 [原子力発電]

小玉龍彦教授(東京大学先端技術研究センター・アイソトープ総合センター長)が、
2011.07.27に、衆院厚生労働委員会で提言した福島原発事故の放射性物質の
影響に関する内容の要約です。

小玉博士は、福島原発事故の放射性物質に関して、その質とその総量の両面から
の除染の必要性を訴え、政府対策の不適合性を、放射物質の総量が広島原爆の20倍
であることと、その危機認識の甘さを訴え、現在の放射能除染対策を抜本的に
見直すべきと厳しく批判しています。

その中で、次の要点を指摘します。
放射性物質による放射線障害は、人の遺伝子を損傷することで生じること。
そして、その放射性物質の種類で、人の身体内の溜り場は、特定の部位と関係が
あることを認識すべきと提唱します。

人には2500 0の遺伝子がありますが、他の人とは、約300万ヶ所の遺伝子に異なり
があります。

放射性物質の中で、α線は最も危険なものですが、この放射線で遺伝子のP53を
破壊されますと、その後の20~30年後に、肝臓がんや白血病の25~30%発症する
ことで、トロスラスト肝障害と言われます。(トロスラストは造影剤で用いています)

ヨウ素のI131は甲状腺に集まり、特に幼児期の成長期に影響を受けます。

セシウムは元々自然界に存在しない、原発や原爆から人工的なのものですが、
これが尿管上皮と膀胱に集まり、増殖性膀胱炎を生じます。

現在までは一部の1500ヘクタールの除染区域に、国費が8000憶円投入されていま
すが、これを想定する全域の投入を考えると、超膨大な国費の投入が必要となり
ますので、現在のやり方は、二次災害の恐れもあり、また、効果的国費の投入で
も現実的ではないので、全面的にその方策を再検討すべきであること。

この為には、食品、土壌、水の、汚染土をイメージ器機による追跡測定が必要。
現法では、汚染土壌の移転が禁止されているので、他の場所への汚染物の持ち
込むことや、低い線量の総量に関する法律が無いことがあり、汚染物質の測定
や排除に関する、新しい法律の制定が必須であること。

国は全国各地に配備のアイソトープ総合センターで、汚染の洗浄機能を終結する
除染研究センターを作り、放射性物質測定データの一元化管理を図り、その地区
特定の汚染度を測定して、民間の高度な技術を活用した、除染対策を練るべき
であること。

現在の除染処理とそれらの補償問題は、国が定めた被害地域の汚染と、その避難
者を対象者として補償の認定をしていますが、その枠を拡大して、各自治体に
よる、夫々の避難者の実体を把握して、その現実に合った個々の除染と補償を
新たに法制化すべきである。

以上が、その要点ですが、それから4年を経過した行政の災害対策は、どの様な
段階にあるのでしょうか。

現過程の情報から、オリンピック2020年までの復興を掲げた首相の意気込みは、
小玉委員の根本解決の厚生労働委員会での提言とは未だ大きなかい離があり、
その実現は難しいと言わざるを得ません。

国の危機管理は、「国民の生命と財産を預かる」集団的自衛権と、「福島原発
事故で現実死の灰の危機にある何十万の国民」と、どの様な違いがあるのか、
そして、その優先度はどちらなのか、考えさせられる課題です。




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

冷蔵庫の電源を抜いて「今を生きる」節電越えの暮らし [原子力発電]

朝日新聞に、「冷蔵庫が導く仏の境地」の見出しに興味を引かれたので拝見した。

その内容は、原発事故後に、エアコンや掃除機、電子レンジなどの様々な電化製品を手放して
神戸に移転した男性が、その後東京に転勤して、まさかのオール電化マンションに入居しました。

と言うのも、神戸の暮らしの延長で、気楽に新しい転居先の「オール電化マンション」に意識
しないままに契約したため、その初月から高額の電気代の洗礼を受けたのです。

神戸での電気代は月千円以下でしたが、いきなり3千円を超えてしまい、節電しようにも、
煮炊き風呂の湯沸かしも全て電気を使う環境となり、その男性のショックは、半世紀の人生で、
「人生の打撃」と言えるものであったと語っています。

そこで男性は、電化に立ち向かう決心をし、最後の電化製品「冷蔵庫」の電源を切ったのです。

冷蔵庫は男性単身者にとって、食品の腐敗はもとより、食品の貯蔵庫として暮らしには欠かす
ことのできないものでしたが、男性はまとめ炊きご飯の日持ちのために「おひつ」を購入し、
経過後で乾いた「干飯」(ほしいい)は、おかゆで食べることにし、必要な食材は、当用買いで
済ませる生活にしたと言う。

この男性の生活には、溜め沖に頭を悩ませることなく、又、明日を考えて貯蔵することもなく、
「今を生きる」ことで、これらの苦しみの根源を断ったことで得られた生き方に、仏陀の心境
を感じていると言います。

このニュースから、原発事故当初騒がれていた電力不足が、事故後も支障のない年月が続き、
電化生活を謳歌する時代の人類に、この生き方は、一つの指針を語ってくれているとも言える
もので、日本の国に「有限の資源」「人の幸せ」を「足るを知る」精神で、今後の長い少子
高齢化時代を迎え、エネルギー減少となる今後の30年に、国の新しい節電化時代の基盤作りの、
転機になって欲しいと感じた次第です。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

3.11福島原発の4年に [原子力発電]

福島原発の震災事故を迎えて今日で丁度4年となります。

最近のテレビを拝見しながら、関係者の幾多努力を重ねながらも、中々回復しない現状に
胸が痛みます。

被災当初、被災地の皆さんの補給物質の受け取りのその秩序ある姿勢は、日本の美徳として
世界を駆け巡りましたが、被害当事者としては、失意のどん底の苦境における行動で、世界の
称賛は間接的なもので、被害感情の中では縁遠いものであったと思われます。

この4年の月日の間の、諸々の過去が失われた1人1人の生活のドラマは、当人のみが耐え
忍び、又懸命に生きてきたドラマの歩で、被害者しか分からない苦悩の日々で、同情などで
埋められないものと思われます。

そして4年目を向え、原発課題の未処理や住居や事業を追われた人々が離散し、行政が懸命に
建設した住居マンションも、その人口減や入居高齢者の生活環境など居住効果が問題となって
もいます。

又、地域復興計画も進んでいますが、この年月の住民の減少と住宅地域の盛り土、防波堤の
改修など、広範囲の取組みの、物量や人足の不足などが加わり、大変な苦労が続いています。

これらを拝見して、震災当時と刻々変化する現場でなくては分からない苦労や改善が、今求め
られ、当初計画や工事方法のづれや、新しく発生課題の解決など、地元の能力以上の新たな
支援や、予算対象の変更などが推測されます。

核廃棄物の仮処理場もようやく決まりましたが、この負の遺産もこれからが本格的課題の始まり
で、今後数十年の努力行動が必要でしょう。

4年を振り返り、高度に発達した物質文明国の日本であっても、未だ、何ともならない問題が蓄積
されている悲惨な現状に思いを寄せ、決して目をそらせない全国民の課題であると感じています。





nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

福島県大熊・双葉の両町が汚染土搬入を容認復興の一歩に [原子力発電]

福島原発事故(23.3.11)以来この4年を経過するとき、災害地の汚染度の処理ができずに
いましたが、今回漸く、福島県の大熊町、双葉町の両町が汚染土の搬入処理を容認しました。

この容認は、永久ではなく最長30年保管の中間的なものですが、現在分島県内の76,000ヶ所
に分散保管されている汚染土の処理は、地元の復興に欠かせぬものでした。

汚染土処理の場所は、福島原発1号機の周囲16kmの範囲内で、その面積内に、貯蔵容量
2550㎥(東京ドーム約20杯)の貯蔵施設と焼却炉を建造する予定です。

この容認については、佐藤雄平前福島県知事が昨年9月にその意向を政府に伝えていたが、
それに関する、当該汚染土の県外最終処分の法律明記や新たな交付金創設、安全協定など
の条件の締結を明確にする必要があり、政府と県の協議を続けていましたが、それらが整い、
今回の汚染土搬入の決定となりました。

特に安全協定に関しましては、地元住民も参加する「環境安全委員会」を設置して、施設の
監視や安全確保を図ることとなっています。

なおこれからの課題は、施設設置予定地を所有する約2300人の地権者との用地交渉が残って
おりますし、その半数が未だ連絡の取れていない状況にありますので、この解決が必要となります。

更には、施設の完成と安全の確認とその管理体制や、この膨大な量の汚染土の搬入とその
運搬経路やその過程での騒音、安全性など、今後の処理についての課題は山積です。

何れにしても、目先問題の一つは前進を見たわけですが、原発問題は、日本国民が行政を
含め、今後の世紀を超えて、放射能に対する設備投下資金と、この監視管理する責任を負うことに
なったことを自覚する必要があります。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

福島第1汚染処理ALPS年内稼働で汚染水対策が進展するか? [原子力発電]

政府と東電が進めてきた東京電力福島第1原発の汚染水対策で問題となっていた、
1~4号機の地下へ流れ込む、1日約400トンの地下水が汚染水化する汚染水を、
凍土遮水壁工事や地下水「地下水バイパス」などで食い止める工事が5月から
行われているが、漸くその効果が出始めて、8月以降、最大で1日約130トンも
減ったと言われる。


このことから、1~4号機の周囲を凍土壁「氷の壁」の、山側の凍土遮水壁工事を
本格的に進め、更に、現在タンクにある汚染水を浄化する多核種除去装置ALPS
(アルプス))を年内に本格稼働することで、そのフル稼働の処理能力は約2000トンと
言われ、この地下水流入の減量と汚染水処理が順調に進めば、難航した汚染水
対策の道が開ける見通しが出てきたとしています。


しかし、他方の、現在建屋海側の地下道(トレンチ)内に停滞している、11000トンの
高濃度汚染水を抜取り、浄化して海に放出する作業が遅れており、地元漁業関係者
との了解問題も絡んで難航しており、この問題が優先事項となっている。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース
原子力発電 ブログトップ