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台湾の統一地方選挙は蔡政権民進党の大敗は台湾の変化の兆しなのか?(2) [台湾]

中国政府の台湾政権「揺さぶり」長期超限戦略

1.中国の2022年8月にアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問したことに猛反発し、台湾を包囲する形で大 規模な軍事演習を実施。

2.1とほぼ同じタイミングで、台湾産食品の輸入禁止を続々と発表
中国当局のホームページで、台湾産食品の輸入禁止措置を発表。
中国当局はその理由を、台湾産のかんきつ類やタチウオなどに「基準値を超える農薬や害虫が検出され た」「包装から新型コロナウイルスが検出された」と説明している。

この輸入禁止で、台湾産食品の中の90%以上を中国販売に頼っているものが含まれ、生活が立ちゆかな くなる人は少なくなく、中国の輸入禁止措置は、台湾にとって「経済制裁」となっている。

3.台湾軍人が中国から賄賂受け取り、サイン付き「降伏承諾書」を持ち笑顔で写真に収まる台湾軍の大佐 の公表。(提供:台湾高雄地方検察署)

この件は、2022年11月、台湾高雄地方検察署は、中国側から賄賂を受け取った台湾陸軍の現役の大佐を収賄の罪で起訴し、この衝撃的なニュースが台湾を駆け巡ったものです。

台湾メディアなどによると、この大佐は台湾が実効支配する金門島で前線指揮官などを務めていて、「戦争が起きたら自分の持ち場で祖国(中国)のために力を尽くす」「平和統一の使命を完成させる」などと書かれた、いわば「降伏承諾書」に署名し、その見返りに中国側から毎月およそ18万円、合わせて253万円あまりの賄賂を受け取っていた。とされています。

これに台湾国防部は「中国共産党による重大な脅威」と危機感を強め、軍人教育を強化する方針を示す。

4.「アメリカが台湾の半導体工場を爆破」…偽情報を拡散。
日本の防衛省のシンクタンクである防衛研究所は、「中国安全保障レポート2023」の中で、中国は偽情報の拡散などによって、相手社会で不信や分断を増幅させる「影響力工作」に力を入れ、中国共産党に有利な状況を作り出していると指摘しています。

5.台湾でフェイクニュースの影響などを調査している市民団体「台湾民主実験室」は、今回の統一地方選で中国の「影響力工作」が行われていたと報じています。

6.『台湾海峡で戦争が起きたらアメリカがTSMC(台湾の半導体大手企業)を爆破する』
台湾民主実験室によると、台湾のSNSで拡散された台湾付近で米中による戦争が起きた場合、「台湾の半導体技術が中国に渡るのを防ぐために、アメリカが工場を爆破する」という内容のフェイクニュースの拡散。
台湾のSNSの話題は「アメリカは本質的には台湾を守ってくれない」など、一定の議論を呼びアメリカとの関係を重視してきた蔡政権や民進党への批判につながる内容となる。

これらのフェイクニュース情報は、中国の政府系メディアや中国のSNSで盛んに発信され、結果的に台湾社会で拡散してる。

7.「親中政権」誕生に向けて情報戦の激化
台湾統一を掲げる中国だが、軍事侵攻を行えば国際社会から非難され、台湾で反中感情が高まるなどデメリットが大きい。そのため中国としては、台湾の選挙で「親中政権」が誕生し、「平和的」に統一することが最善と考えていると見る。

1年後に迫った次の総統選挙は、中国への強硬路線を進める蔡総統の民進党が勝つのか、或いは、親中政権が誕生するのか。台湾の未来を左右する重要な選挙になる。

これらから、2023年は中国からの軍事的、経済的な圧力に加え、台湾世論をめぐる水面下の情報戦が一段と激しくなることが予想されます。



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台湾の統一地方選挙は蔡政権民進党の大敗は台湾の変化の兆しなのか?(1) [台湾]

2022年11月26日、蔡英文総統が深々と頭を下げて謝罪。原因はこの日、台湾全土で21の県知事・市長選挙の投開票が一斉に行われた統一地方選挙で、蔡総統が率いる与党・民進党の獲得ポストが、改選前の7から5に減らし大敗のためです。(2022年11月) 日テレNEWS

蔡総統や民進党は、今回の統一地方選挙を“次の総統選挙の前哨戦”と位置づけて「中国との関係」を争点とする大規模決起集会を開催し、選挙に臨みましだが、その狙いが大きく外れて、中国につけいる隙を与える結果となったものです。

そもそも統一地方選挙は、夫々有権者の地域が抱える社会問題や雇用・経済政策を重視したものですが、今回はその焦点を中国の脅威に対する選挙としたため、有権者の関心から外れた結果となりました。

この選挙結果に即時に中国政府は「平和と安定を求める台湾の民意を反映している」とし「蔡政権がこれまで貫いて来た中国への強硬路線が台湾の有権者に拒否された」とコメント、中国国民や台湾に向けて発信し中国化の基盤固めを行いました。

この結果は、「たかが地方選挙での敗戦」ではありますが、蔡総統の求心力低下は避けられないものとなり、これまで様々な手法で台湾世論に揺さぶりをかけてきた中国政府にとって、「親中国」政権の誕生を望むに、願ってもない状況となっのです。



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台湾は世界の関ヶ原となるリスク大!! [台湾]

昨年から激動の米中間のパラダイムシフト対決は、その後さらに激しくなり、
香港国家安定維持法の制定で、その矛先が、米国とイデオロギーを共有し、
サプライチェーンが揃っている有一の国台湾に向かっています。

米中間のパラダイムシフトは、貿易戦、金融戦、ハイテク戦、サイバー戦、
そして今や、世界を二分する親反チャイナのイデオロギー戦の展開に至りました。

中国は、これら米国の経済、ハイテクの規制圧力を受ける中で、米台の接近を
不服として、南シナ海に弾道ミサイル4発を撃ち込むほか、18日から、台湾海峡
に空母など派遣し、軍事演習を始めるなど、けん制を強めている。

去る9月17日の李登輝氏告別式に米クラック国務次官派遣した際とその後中国は、
15日間連続で台湾上空に戦闘機を飛ばすなどして、武力行使を行うなど、武力
衝突の緊張が高まっています。

他方で台湾は、9月20日現在での武漢ウィルスの感染は500名、その死亡者は7名
と世界で最も感染の少ない国です。

この台湾は米国以外で、世界でただ一つ反中を明言している国でもあります。
また台湾は、アジアの中で一番人種が多様化している国でもあります。

更に台湾は、香港の民主化の支援救済をアジアで有一明言している国で、世界が
中国に屯託する中、李承晩総統の台湾独立路線を、氏の亡くなられた後も毅然と
して維持する国家意識の高い国でもあります。

米国とは、同盟国日本以上に、文明価値の共通性、軍事地政学的な価値、経済
ハイテク分野の価値を共有して、米国の軍事援助と外交関係の再開を期す議決が、
10月6日に立法院で満場一致で可決され、中国共産党(CCP)に反旗を掲げて、その
対決姿勢を確立しました。

これらの台中緊迫の中で、日本は、日米豪印による安全保障の枠組み、クワッド
(QUAD)強化の模索を開始しました。

今回ポンペオ国務長官の来日で、菅首相とで「日米同盟が、地域や国際社会の平和
と安定の基盤」の考えが一致と報道されました。




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日本は何処へ往くのか 安倍政治は何が大事なのか。 [台湾]

台湾民主化の父、李登輝元総統の喪に対して、安倍政権、菅官房長官は、早々に
「李登輝元総統の葬儀への政府関係者の派遣の予定はない」と明言し、中国共産党
政権を優先忖度する、明らかな政治選択姿勢を示しました。

台湾は戦前まで日本国として統治した国であり、台湾の人々は、日本の公明で公正
な統治に信頼して、日本国民となった人々であり、その代表的一人が李登輝氏で、
戦後もその姿勢を貫き、中国の敵視から、圧政と脅しの中で、台湾の独立と民主主義
にその生命を賭して守り抜いた偉人です。

李登輝総統と台湾国民は、中国の圧政下にあっても、日本への義と礼を忘れない、
親日国であり、災害時にもいち早く支援を受けたことは、日本の多くの国民の知る
ところです。

李登輝氏は、死ぬまで日本の将来を案じ、安倍首相にもエールを送り続けられました。

その李登輝氏の葬儀に、コロナ禍の問題があるにせよ、政府関係者の1人も覇権を
しないことは、台湾政府ならびに国民に、義と礼を失する行為です。

中国が、ウルグアイ国民の抹殺を図り、香港の自由侵害を決する時、そして、米国が
台湾防衛支援を決め、中国と対決の冷戦状況に入った今、台湾は、中国独裁政権侵略
阻止の橋頭保であり、日本の安全保障になくてはならないパートナーです。

まして、米国と安保条約国の日本が何故、中国と対峙する親友台湾を裏切る行為をする
のでしょうか。

日本の安全保障と、日本の将来をまたもあなた任せの方策で、とてもメリハリのある
外交能力を感じることができません。

信義を忘れた、どっちつかずの経済顔色外交のツケは、必ず日本を滅亡させることに
なります。



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李登輝元総統 巨星墜つ [台湾]

昨日7月30日台湾時間の午後7時24分、台湾民主化の父、偉大な政治家
李登輝元総統が、持病の肺炎の悪化で、97歳でご逝去されました。

台湾は、日清戦争の日本の勝利で、下関条約によって1895年(明治28年)
4月17日、清朝(当時の中国)から日本に割譲され、その後日本統治となり、
第二次世界大戦で日本の降伏後の1945年から、中華民国政府の台湾統治と
なりますが、李登輝氏は、日本統治時代の1923年に台湾に生まれ、日本語で
教育を受け、高校時代に新渡戸稲造の著書に出会ったのがきっかけで、
京都帝国大学で農業経済学を学ばれました。

1988年、中華民国腐敗政権の蒋経国総統の死去で、国民の初めての直接選挙で、
李登輝氏は台湾総統となり、以後、中国共産党から距離を置く、「二国論」を
提示して、中国の圧力下で台湾の独立を支え続けてきた、偉大な政治家でした。

李登輝氏は台湾総統になった後も、「私は22歳までは日本人だった」と公言し
続け、家庭では日本語で話し、「日本人より日本人らしい」と言われた李登輝氏
でした。

台湾の政界に入ると、当時の台湾で禁止されていた日本文化を開放するなど、
日本に愛着を持って日台関係を支えてきた人物で、日本の将来を最後まで心配
していたと言われます。

日本の安倍首相には、『熱誠憂国。日本人へ伝えたいこと』の著書の中で、
「冷静・謙虚・忍耐」の言葉を大切にし、自らの理想を実現してもらいたい。
と励ましの言葉を送り残しています。

氏の座右の銘は「誠實自然」で、そのご逝去までその姿を貫き通した人物で
あったと言われます。

戦後日本魂を抜かれた、私たち日本人は、中国の国民党と共産党の2代政権の
圧政にも、「冷静・謙虚・忍耐」で耐え抜き、台湾を守り、強いては日本を
守つた李登輝元総統に見習い、誇りある日本人を取り戻し、台湾とは、共に
永久の良き親友でありたいと思います。

ここに、李登輝氏のご逝去を悼み、心から哀悼の意を捧げます。



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